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座布団

坐る会、坐禅会に参加された方は知っていると思います。楽の森の座布団は坐りやすいです。サイズが大きく、厚くて適度に沈み、長時間の坐禅に適しています。

 

坐禅に最適な座布団として、サイズ・中身の成分配合などにこだわり特別注文されたものです。時間をかけ、試作品を何枚も作成していました。

 

上の写真ではサイズ感がわかりにくいので、一般的な大きめの座布団と比較してみます。

※現在販売中の座布団は藍色(かすり柄)です。

このサイズでしたら成人男性が坐禅しても、まず膝が座布団からはみ出すことはないと思います。あと、厚みがあるので体重がかかっても適度に沈むことで膝への負担が軽減され、楽に坐禅し続けることができます。

 

長時間連続の坐禅に、厚い座布団を用いることはとても大事なことなんです。普勧坐禅儀にも書いてあります。「…尋常坐所には、厚く坐物を敷き、上に蒲団を用う。…」

 

お寺の坐禅会などでは畳に直接、坐蒲(ざふ)で坐禅することあります。膝への負担が大きく痛めることがありますので、なるべく座布団の上で坐禅するようにしてください。それでも長時間の坐禅はきついかもしれませんので、ニ枚重ねるのもいいと思います。坐禅で足を痛めないように注意しましょう。

 

それから、真偽はわかりませんが「痔」という漢字は、「疒(やまいだれ)」に「寺」とあり、お坊さまに多い病だったから…と聞きました。これを防ぐには、坐禅を始める前にきちんと左右揺身(さゆうようしん)して肛門を締めると良いみたいですよ。こちらも注意してください。 

 

以下は、無茶な坐禅をした人の例です。それだけ熱く取り組まれたということでもありますが…。

 

【北野元峰】

北野は若き日、石の上に坐って坐禅をするなどの荒行に取り組んだため、痔を患っていた。北野は義衍に「こんなに体を悪くすると、使いものにならないから、無茶苦茶するな。無茶苦茶しなくても、布団を何枚敷いて坐っていても、必ず悟れるんだから、そういう無茶な事をするんじゃないぞ」と説いたという。

- サンガジャパン「井上義衍老師伝」星飛雄馬氏の記事から引用 

 

【盤珪禅師】

それよりして、故郷へ帰り、庵室をむすびまして安居して、或ひは臥せらずに、念仏三昧して居ました事もござつて、いろいろとあがき廻りまして、餘に身命を惜しまず、五体をこっかにくだきました程に、居敷が破れまして、坐するにいかふ難儀致したが、その頃は上根にござって一日も横寝などは致さなんだ。然れども、居敷が破れて痛みます故に、杉原を居敷に、一帖づつ取替へて座しました。そのごとくにして座しませねば、なかなか居敷より血が出て痛みまして、坐しにくうござって、綿などを敷く事もござつたわいの。それ程にござれども、一日一夜とても、終に脇を席に付けませなんだ。

- 岩波文庫 盤珪禅師語録 鈴木大拙から引用