#010 子供がほんとうに聞きたいこと
【質問者】
さっき話があった、もし子供が「これなに?」って聞いてきたら、私はなんて答えたらいいかわからないです。
【老師】
(ペットボトルをもち)このとおりじゃん、これはこれでいいじゃないですか?
【質問者】
う~ん、「これなに?」って聞かれたら…
【老師】
(ペットボトルをもち)これに違いないじゃない?
【質問者】
(笑い)でも聞いてきた子供の真意っていうか…
【老師】
やってごらん、「これに違いないじゃないか」「このとおりじゃないか」って言って。
【質問者】
それで子供は「そっか」みたいな…。
【老師】
そうよ。
【質問者】
へーそうかなー?(一同笑い)
【老師】
そのくらい大人と違う。
大人が欲しがってる答えと、子供がほんとうに聞きたいことはちがう。
【質問者】
考えの答えをすることで子供が自分のようになっていくというか…考えの方に。
【老師】
そうそう、どんどん事実はほっといて考え方だけが育ってくる。
【質問者】
じゃ徹底的に子育て失敗したというか…もう大人になってしまったので。
【老師】
だから昔からよく遊ぶ子は育ったじゃないですか。
よく遊ぶ子というのは実物といつも接しているんです、考え方は少ない。
今は実際に田んぼに入って泥まみれになるってこともないし、木に登れば落ちるからやめろとか言うしさ、ほんとになにもさせないんだよ。
で、あたまだけで安全な事を考えてる。
それ切れるものだから持たないほうがいいって、確かに転んだ時にささるかもしれないよ、持ってたら。
だけどそんなこと言ってみんな止めちゃんだもん、熱いからそれは危ないからって。
【質問者】
だいぶ遅いんですけど。
【老師】
いや、遅くはないよ。
自分自信だっていいじゃん、子供じゃなくたって。(笑い)
自分自信だって、そういことしなくなってるんでしょう?
人の体験した話を聞いて、そうだって思い込んで終わってるくらいじゃないですか。
どっかにこう書いてある、だれかがこう言った。
言うことを聞いて、ああそうかって思い込んで、それでもうよしじゃない。
それ勉強したことじゃないじゃないですか、なにも。
(水が入ったコップを指さし)
誰かがこれ飲んだ「いや~お水美味しいですよ」って、「ああ、そう美味しいんだ」っておかしいじゃないですか?えっ?(笑)
「あんた飲んだのか?」って言ったら「いいえ飲んでません」って、
「よくわかるね?どんな味がしたのか」って「飲んでないからわかりません」(笑)
なんの力にもならないじゃないですか、わかったような事言ってるけど。
だから修行って、必ずこの自分の体でやるじゃないですか。
この自分の体でやらないものは修行にならない。
どんな人が体験したものを話してくれても見せてくれても。
必ずこの体でそれを見てそれを聞く、そして血肉になっていく。
絶対ひとの体ではやらない。
(ペットボトルを持ち)
一緒になってこうやって遊べばいいじゃないですか。
「これなに?これに違いないんだけど」って、いろいろ遊べますよ。
一日大丈夫ですよ、これひとつありゃ(一同笑)そんなに豊かな内容を持ってる。
頭はただボトルの中に水が入ってるだけで終わっちゃうじゃないですか。
そんなことはないですよ、こうやって開けて、この辺に撒いてもおもしろいし。(笑い)
こんなことやったり、あんなことやったり、いろんなことができるんですよ、無限なものがある。