#024 今の事で学ぶ
提唱終盤
【老師】
誰にでも、わかるように話したつもりですよ。
どこか、わからない事がある人、ここで遠慮なく聞いてください。
また今から坐るんですよ、わからずにどうするんですか?
ここで机みたいにして居て、せっかく来て。
【質問者】
少し前に蛍光灯が見えるとか、葉っぱが見えるとか、飛行機が見えるとかの話の時に、自分がどこにも付いて行ってないという事をおっしゃいましたが…
【老師】
だから、そんな昔の話をせずに、今、自分でやってる事で見てごらん。
さっき、あんな話をしてたってやってるから、つまらないじゃない。
そんな事やって、どうするんですか?
今、こうやって御馳走を食べてるのに、さっき食べた御馳走がどうだったって、そんな食べ方していたら、味なんか味わえないじゃないですか?
勉強の仕方が違うんです。
【質問者】
理解しようと一生懸命に…
【老師】
理解するって事は、今の事で学ぶのよ。
他のところに目を向けて学ぶんじゃない。
他のところに目を向けて学ぶっていう事は、考え方で思い起こした事を相手にするしかないじゃないですか、所詮。
それは初めっから、考え事を相手にしてるだけじゃないですか。
そうじゃなくて、これだけ話してるんだから、今こうやった時に(上を指し)、今こうやってる時に(下を向いて)、どうなってるか。
確かにここに(頭から体を指し)自分らしいものがあるには違いない、それはまぁ肯定してあげてもいいじゃないですか。
だけど、こうやって物に向かった時、自分が出て来ないじゃないですか。
あるのはここの様子だけだけでしょう。
でも認識として(こめかみを指さし)、これを(前を指し)見てる人がここに(胸に手をやり)居るって、ここで(頭を指し)理解しているんでしょう。
実際にこうやった時に、ここで(胸に手をやり)見てる人が、ここに(前を指し)出てこないじゃない、この様子(前を指し)があるだけじゃないですか?
そうなってるでしょう?今。
こうやって(右を向き)触れてごらんなさい。
こうやった時(前を指さし)に自分が出て来たら大変ですよ。(笑い)
そんな人いるわけが無いじゃない。
やってごらん(天井を指し)そこに自分が出て来る人なんて誰もいないよ。
どういう風になっているかって言ったら、そのとおりの様子があるだけじゃないですか、いつでも。
それを、私達は見てるって認識してるんでしょう。
本当に見てるって時は、そういう風になってるって事でしょう?
ここに(胸に手をやり)居る自分が居るはずなのに、自分らしいものがすっかり無しに、物があるだけになるって、それだから仏様たちが話して残した事が信じられるのでしょう。
なるほどって、本当の様子の中には自分と向こうと分け隔てるようなものは、ひとつもない活動をしているでしょう。
自分を立てない、立てられないから、出て来ないんだもん。
見てる事さえ知らないで、町を歩てるんでしょう。
あれ町の様子があるって事は見てる証拠ですよ、(笑い)あれが見てる証拠ですよ。
町のありとあらゆる風景があるって事が、みなさんが見てる証拠ですよ。
それを、もう一回、あそこにビルがあるって、それを見たと思ってるから大間違いじゃないですか。
そんな事やる前に、先に町の風景が全部あるんじゃないですか?
ほら、あそこ見てごらんって指差されたところを見て、なるほどあるって、それを見たと思ってるんでしょう?
その前に、ちゃんとその景色は全部あるのでしょう?
それどういう事ですか?景色があるって事は、それが自分が見てるって事の証なんじゃないですか?
チュンチュン、チュンチュンって、そういう風になってる事が聞いてるって証拠なんでしょう?
「あっ鳥が鳴いた」とかいうんじゃないよね?
これみな端直ですよ。
いきなり、今みなさん方の誰しもの、ここでのあり様です。
遠い昔とか、これから云々とかいう話は一切してない。
だから初めから出来るとか出来ないとか、難しいとか易しいとか、っていう話じゃない。
今、本当にどうなってるかって話をしてるだけ。