#035 少年時代
【質問者】
老師には腹立たしいことはないですか?
【老師】
腹立たしいことはね、小さい頃はよくあった。
一番腹立たしいのはですね、自分で自分がどうにもならないでいるっていうこと。
それで三日くらい、こうやったら(腕組みをして)、こうやっているくらいの力はあった、飯も食わずに。
そのうちね、何をしてるんだろうと思う自分で、小学校ぐらいかな?
もう腹を立ててることなんか、すっかり無いよ、なんで腹を立ててたかも無い。
ただこうやって(腕組みをして)、今更ご飯食べに行きたくないなとかってグズグズしてる、そんな事はよくあった。
一番はそうですね、問題になったのは、人にどうこうじゃない。
いろんなものに触れた時、自分の中がカサカサ、カサカサして、それが自分でスッキリしないでいるって事が一番気になっていた。
で、有難い事に私の師匠っていうのは、そういう時に一切、手を出さないでほっといてくれた。
「そのうち食べにくるから」って。
「ほっとけばいい、お腹が減ったら来るよ。」そうやって親切にほっといてくれました。
だから、私は自分自信にこうやってほんとに居た。
そういうことも皆さんの年齢の頃とは違うな、もっと早い。
だから、だいたい中学ぐらいまでにはですね、所謂、問題児は解決した自分の中で。
だから、今の人たちが、いろいろ自分の中で問題を起こしている人を見るとね、遅いと思うんですね。
自分のことを本当に、まだ大人になってまでも喧嘩しているような人がいる。
そんな、遅いと思う。
少なくとも中学くらいで卒業しろよ、そんなことはと思いますね。
あんまりカメラが入ってるから言わないほうがいいし、言いたくないんだけども、いろいろ酷いこともした。
完全な問題児でしたから、今風に言えば。
学校行けば、親が校長先生に呼び出されるような、よっぽどでしょう?
校長先生に呼び出される親って、よっぽどのことがなきゃ呼び出されませんからね。
学校の先生とやりあったり。
小学校の担任、中学の担任の先生なんかでも、学校いる間は頭あがらなかったからね、私と話した後。
要するに現場をちゃんと見て正確に判断した上でやってない事で、所謂体罰のような事が行われた事に対して、私は抗議をしてる。
それも抗議をする時は必ず職員室に行って、大勢の先生のいるところで、その人を相手に抗議する。
一対一は駄目だな、逃げられちゃうからね、大人上手だから、絶対そういうところではやらない。
そうするとね、本当に見たのかって、あなたはやったから叩いたというけど、やってないじゃないかって。
それが、やっぱり嘘をつけないんだね、先生でもね。
そのおかげでいい点もらったかな。(笑い)
悪いと思っていい点くれるんじゃないかな、小学校とか中学校ぐらいは。
味をしめちゃって。(笑い)
変な意味で小利口でしたね。
だから自分としては振り返って、みなさんから質問されれば、けっこう思慮深い生活をしてたかもしれない、大人顔負けかもしれない。
私、十四くらいから修行に出たんだけども、十五、六の時、そこに三十代くらいの修行僧がたくさん先輩がいるわけだけども、二、三十人いる、そういう中で、十代は私ともう一人くらいいたかな。
だけど、私がみんなが話しているところに一緒にこういて、あなたのようにちょっと質問したり、一言言うと、白けるんだよ。
僕はあだ名が一言居士って言われてた。
私が言うと、みんな二の句が出てこない、十代ですよ。
別に自慢するわけでも、なんでもないけど、そのくらいの事はあった。
だから、学校の先生と話していても面白くないんだよ。
で、先生方を困らせたことが沢山ある。
小学校の一、二年の頃は、よくねえ先生が困ったのは赤いチョークとか白いチョークとかで書いてると、
「先生、その赤いとか、白いとかって誰がつけたんですか?、なんでこれを赤いって呼ぶの?」って。
いまだに私は辞書とか引いてみるけど、”あかい”って発音はどうしてそう出来てるかって、あまり明確なものはないね。
そうすると先生困るんだね、私と話してると一時間授業できなくなるから。
算数の授業でもね、1+1=2だってやるじゃないですか?説明するのにリンゴが一つミカンが一つってやるからさ、余計煩わしくって私としては、リンゴとミカンを足したら二つになるって言うんだけども、リンゴとミカンをどうやって足すんだって。
リンゴとミカンは、リンゴとミカンでしょうって。
どんなにやったって二つにならない、足して二つになんか、最初からものが違うじゃないかって。
そんな事を平気で先生に言ってましたね。
わかってるんですよ、これとこれを足したら2っていうのは。
わかってるんだけども、そういうへ理屈を平気で先生に投げかけて、やっかいな奴がき来たな、あの教室には行きたくないって、だからこんな変なのが出来ちゃった。
まぁ、そんな育ち方ですかね。